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「想いは金品で量れない」

皆様もご存じの通り元日に起きた石川県の能登地方での大地震では、多くの人が被災し、今も避難生活を余儀なくされ、不幸にも犠牲になられた方が232人。災害関連死を含めると、253人(2024.1.25現在)にのぼります。衷心よりご冥福をお祈りするとともに、行方不明者の早期発見と、一日も早い復旧、復興を祈るばかりです。

今から15年くらい前に、石川県へ寺社仏閣参りに、一人旅をしたことがあります。白山比咩神社、那谷寺、気多大社、倶利迦羅不動寺といずれの寺社も、素晴らしい信仰を伝え、当時いろいろと悩んでいた私の心がスーっと軽くなり、心の靄が晴れたような思いがしたのを記憶しております。加賀百万石と言われる、歴史と文化そして信仰が根付く能登地方が、このたびの地震によりズタズタになり、祈るほかに何かできることはないかと自問する日々です。

最近、ネットでは被災者の集団移住について議論され、様々な意見が飛び交っています。移住推進派の意見としては、今回の地震は、断層の隆起や液状化現象により、ライフラインとなるインフラが壊滅的になっており、今後完全復旧するには、巨額の税金を原資とする予算が必要になる。過疎が進む地域に巨額の税金を使うよりは移住を促すべきではないかと。日本国の経済状況を鑑みて合理的に考えればそれも一理あるだろうと思います。

でも一方では、やはり被災から復興したら、そのままこの場所に住みたいと思う人は、間違いなくいるわけで、その理由は様々だと思うが、先祖代々の土地や家屋、家業だったり、親、兄弟、家族との大切な思い出が、いっぱい詰まった自然だったり。その地に骨を埋める覚悟で今までやってきたのだろうから、お金がどうこうという話とは別の次元でしょうし、どこまで復旧するのかの程度はあるけど、その地に住み続けることは、寛容に認めてもらいたいものですよね。

私はお寺の住職なので、被災地の寺社についても気になっておりまして、だいたい寺社は古いうえに大きな屋根があるので、大きな揺れに弱いものです。多くの被害が出ているのではないかなと推測できます。お寺の復興をするにしても、みんな被災者ですので、支援の呼びかけも難しいでしょうし、住む人がいなくなったら維持をする理由が薄くなってしまいます。寺社を移転させるといっても、古刹のお寺や神社の縁起って、そこにある山や海や川などに神秘的な霊力、つまり神仏の力を感じたので、建てられているわけで、場所を代わってしまったら存在する意味がなくなってしまいますよね。

寺社は、その土地の歴史や伝統文化を継承している役割もありますから、寺社がなくなるということは、それらが途絶え、消滅することを意味します。そこじゃないとダメなものってあるんですよね。

さて、このたび私の妻、紀子が勤務します一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)では、スタッフの派遣や実働を通じて、現地・遠隔の両方で震災支援にあたることになったそうでして、単発で一回行ったら終わりではなくて、数か月にわたり継続して支援をするためにシフトを組んで2月以降に現地入りを数回するそうです。その間、子どもたちを私一人で看ないといけないのでそれはそれで大変なのですが、それは置いておいて、妻の務める財団では、能登で震災復興をする現地の団体が募る、クラウドファンディングも応援しております。何かしたいけど、どこに支援すれば?と思っていた方はぜひこちらにご支援ください。支援活動の進捗状況などは、また妻からこのメルマガで報告してもらおうと思っております。詳しくはコチラをクリックしてご確認ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

願わくは この功徳を以って

普く一切に及ぼし

我らと衆生と皆ともに

仏道を成ぜんことを

 

合掌九拝

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